トップ営業マンから異色の転身 鎮西・江上監督を直撃
――選手時代、会社ではどんな仕事をしていたのですか。
「今のホンダ熊本製作所で設備管理の部門にいました。ただ、当時のホンダは一時的な業績不振で、製作所から販売店へ出向する社員が少なくなかった。(自分自身も)野球をやめて、販売店に出向したのです」
――野球選手からいきなり営業マンになり、しかも営業所でトップになったそうですね
「僕がいたのは『クリオ』という高級車を扱うディーラー。野球の時は頭なんて下げたことはなかったけど、営業マンのときは下げっぱなし(笑い)。営業の成績が上がったのは、江上という人間を信頼してもらうことが大事だと考えるようになってからですね。ある社長さんから『俺の車は〈Hマーク〉じゃない。江上の〈Eマーク〉だ』と言っていただいた時は本当にうれしかったです」
■妻には大反対された
――超一流企業で営業成績もいい。将来は安泰だったんじゃないですか?
「出向して6年目が終わる前に、東京本社の営業部門に誘われました。『将来は熊本の販売店の社長になれる』と言ってくれた上司もいました」