著者のコラム一覧
渡辺勘郎ノンフィクションライター

59年8月、東京都墨田区生まれ。中大法学部卒業後、週刊文春編集部を経て独立。フリージャーナリストとして、野球を中心に著書多数。

返事だけ「ハイ!」ってのが多い。来日して二十何年、日本人も変わってきてるのが分かるよ

公開日: 更新日:

 弟子に望むことを聞くと「一生懸命やって欲しい。やいやい言われて、じゃなくて、自分が思っていることを、出し切って欲しい」という武蔵川親方。つまりは、やいやい言わなければならない日々なのだ。嫌にならないのだろうか?

「ならないよ(笑い)。注意するのが私の立場だから。家庭で教えることを相撲部屋に入ってからやろうと思ってもできないけど、少しずつ言うんだよ。少しずつやらす。それで、できれば増やしていく。たとえば腕立て伏せ。最初は10回できない。だから、まず5回。それがちゃんとできるようになったら10回させる。できる人と、できない人がいる。できない人はできるまで少しずつさせる。

 昔の人みたいにはできないんだから、変えていかないと。比べちゃダメ。一緒にしちゃダメだよ。新弟子だったころの俺ができたことの半分もできないけど、比べちゃダメ」

 生まれも育ちも年齢も違う弟子たちが一つ屋根の下で同じ釜の飯を食って共同生活しながら稽古し、出世を目指す。大家族生活で助け合っていくことによって相撲の技量だけでなく、挨拶に始まる人間関係のスキルも鍛えられていく……古き良き日本の文化・習慣が今も残っている大相撲の世界。だから単なるスポーツとは異なるのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?