あり得ない“ローカルルール”から見えてくる日本ゴルフ事情

公開日: 更新日:

「OBに関しては、往生際の悪いプレーヤーにさっさとあきらめさせるための措置です。暫定球を打たずにボールを確認しにいかれたりすれば、ボールを捜す時間、結局見つからずにティーインググラウンドまで戻って打ち直すなど、かなりの時間を浪費します。初めからOBとわかっていれば、話が早い。それだけで進行がかなり変わるのです」

「あるがまま」というのがゴルフの基本だ。ところが日本のゴルフ場でそれを許さず、ローカルルールで、とにかくプレー進行を早くさせようという狙いなのだ。

 そもそもローカルルールって、一体何のためにあるのか。前出の支配人がこう言う。

「例えば崖の下にボールを落としてしまった場合、ボールを捜して大ケガをするのを阻止するためであり、たとえボールが見つかってもアマチュアは脱出するのに3打も4打もかかる。そうすると時間がかかって仕方ありません。それらを防ぐためにローカルルールを適用するわけです。

 また、以前は林に打ち込んだらOBだったところでも、プレーの進行を早くさせるため、OBではなく1ペナに変更して前進ティーをグリーンに近づけて3打目を打たせたりしています。パー4なので1打目がOBであっても3オンが可能になり、ティーショットをミスしても3オン、1パットでパーを取れるわけです。2オン3パットのプレーヤーよりスコアが良くなるのです。こうなると、何のためのペナルティーかということになる。ミスをすればスコアが悪くなるのが普通なのに、逆の結果になる。いずれにしても、ハーフを回るのに3時間もかけられては困る、というゴルフ場の事情があるわけです」

 ゴルフ場がヘンなローカルルールを“乱発”するから、日本のゴルファーはいつまで経っても下手なのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    【速報】髙橋光成がメジャー挑戦へ!ついに西武がゴーサイン、29日オリ戦に米スカウトずらり

  3. 3

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    大接戦パV争いで日本ハムがソフトBに勝つ根拠…カギを握るのはCS進出に必死の楽天とオリ

  1. 6

    佐々木朗希に浮上「9月にもシャットダウン」…ワールドS連覇へ一丸のドジャースで蚊帳の外

  2. 7

    長渕剛に醜聞ハラスメント疑惑ラッシュのウラ…化けの皮が剥がれた“ハダカの王様”の断末魔

  3. 8

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  5. 10

    総裁選前倒し訴え旧安倍派“実名OK”は3人のみ…5人衆も「石破おろし」腰砕けの情けなさ