日本勢初の表彰台 岸彩乃の銀メダルは新採点基準の恩恵か

公開日: 更新日:

 先のトランポリン世界選手権(ソフィア)で男女合わせて3個のメダルを獲得した日本代表が14日に帰国した。

 今大会は女子個人決勝で岸彩乃(25)が55.740点で銀メダルを獲得。同種目の日本勢では初めて表彰台に立った。

 決勝では強豪の中国勢2人がミスで自滅。敵失にも恵まれたと同時に、今季から導入された新しい採点システムも追い風となった。

 国際体操連盟はリオ五輪後、従来の採点基準であるTスコア(跳躍時間点)、Eスコア(演技点)、Dスコア(難度点)の他、着床の安定度を示すHスコアを追加。これはトランポリン中央に位置する正方形の部分への着床を得点化するもの。岸はHスコアで8人中トップの9.600点をマーク。高さがない致命的な跳躍を着床の安定感でカバーして表彰台につなげたのだ。

 岸は海外の審判から着床を高く評価されたわけだが、安心するのはまだ早い。トランポリン関係者によれば、海外勢の多くは新ルールへの適応が遅れ、今大会はHスコアへの意識が低い選手が目立ったという。今後、新採点システムが世界に浸透すれば、Hスコアは女子のトップレベルなら9点台後半をマークする選手が続出するのは必至。来季以降、岸が得意とする着床ではほとんど差がつかない可能性もあるのだ。

 岸は「今回、実力で取ったとは思わない。世界との差はあると思うので、そこは真摯に受け止めないといけない」と20年東京五輪に向けてレベルアップを口にした。自己分析はできている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手