著者のコラム一覧
津田俊樹スポーツライター

産経新聞記者として1992年アルベールビル冬季、同年バルセロナ夏季五輪を取材。運動部長、論説委員を経て、現在フリー。2019年に東京五輪開催をめぐる問題点を指摘する「ブレないスポーツ報道」(言視舎)を出版。

<1>現場では「潰せ」「ぶっ倒せ」は日常的に飛び交う

公開日: 更新日:

 頭ごなしに精神主義を押し付けるタイプではない。学生ともコミュニケーションをとり、個人的な相談にも乗る。それでも、練習、試合となれば別である。

「危険なスポーツですよ、アメフトは。プレーした者にしか分からないでしょう。ケガをしない、相手を傷つけないために心身を鍛え、指導者は厳しく接するのです」

 それでも、アクシデントは起きる。ディフェンスの強烈なタックルを受けて、選手生命を絶たれる重傷を負うプレーを目の当たりにしたことがある。

 今回の件でテレビ出演していたアメフト経験者のコメンテーターが「危険なスポーツと思われるのが悲しい」と話していた。次代を担う高校生や保護者が離れていくのを懸念したのだろうが、違和感を覚えた。

 危険だからこそ、さまざまな準備をして臨む。何か起きてからでは遅く、取り返しがつかなくなる。“こんなはずでは”じゃあすまされない。

 アメフトの現場では「潰せ」「ぶっ倒せ」は日常的に飛び交う。アメフト関係者は実態をさらけ出し、真相を語るときである。

(つづく)

【連載】日大アメフト殺人タックル事件の深層

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較