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津田俊樹スポーツライター

産経新聞記者として1992年アルベールビル冬季、同年バルセロナ夏季五輪を取材。運動部長、論説委員を経て、現在フリー。2019年に東京五輪開催をめぐる問題点を指摘する「ブレないスポーツ報道」(言視舎)を出版。

<2>世論を味方に付けた関学大 SNSの映像拡散が背中押した

公開日: 更新日:

 日大アメリカンフットボール部といえば、ショットガン・フォーメーションがお家芸。簡単にいえば、QB(クオーターバック)からのパスを受けるレシーバーが散弾のように散らばり、どの選手がキャッチするか分からないようにして、相手ディフェンスをかく乱する作戦である。

 今回の悪質タックル問題で、日大の内田正人前監督、井上奨前コーチに加え、大学本部の広報までが対応を誤り、失点を重ねた。部員は何があっても守ってくれると信頼していた司令官に後ろから撃たれているような状況に追い込まれている。裏切られた思い、喪失感は計り知れない。

 対する関学大はマスコミ対応の主導権を握り、世論を味方につけた。記者会見に登場する鳥内秀晃監督、小野宏ディレクターに称賛の声が聞かれる。

 だが、関学大側もスタートで出遅れた。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に引っ張られての“参戦”だった。

 日大との定期戦が行われたのは5月6日。鳥内監督はQBが悪質なタックルを受けたプレーを「ボールの行方を追っていたので」と見ていなかったという。抗議もせずに最後まで行われたが、日大の危険なタックルの映像は同日夜までに、動画サイト「ユーチューブ」にアップされた。

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