日大アメフト部には暴力問題も スポーツ界にはびこる病根

公開日: 更新日:

「某大学のボクシング部では昨年、部員が1人自殺している。指導者に『もうおまえなんて、練習に来なくていい』と追い込まれ、それを苦に自ら命を絶った。こういう指導者は現役時代、自分も監督、コーチの奴隷にされ、嫌な思いをした経験があるのでしょう。部員も自分たちが奴隷にされていることに気付くべきです。いくらレギュラーになりたいといっても、相手をケガさせてまで試合に出て、どれほどの価値があるというのか」

 常にスポーツ選手の心と向き合っているメンタルトレーナーの高畑好秀氏は「指導者は手段と目的を明確にすることです」と言う。

「例えば、技術はあっても体力が足りない選手がいる。『おまえにはこういう選手になってもらいたい。この部分が足りないから、それを補うための練習は少しきつい。レベルアップするための練習だから苦しいこともあるぞ』と説明すれば、理由がわかっているので、選手はきつい練習にも耐えられる」

 そして、こう続ける。

「もうひとつ、暴言、鉄拳指導で反骨心をあおる指導がある。しかし、反骨心から生まれるモチべーションは長続きはしない。練習は上手になるのが目的です。そのために何をするのか。選手とコミュニケーションをとって理解させれば、精神的に追い込む指導など必要ありません」

 日大アメフト部は昨年、27年ぶりに甲子園ボウルを制した。内田前監督は一時的な成功体験に酔っていたに違いない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘