山田隆道
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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神・藤川の復活はトミー・ジョン手術のモデルケースになるのでは

公開日: 更新日:

■奪三振率10.02

 しかも、さらに興味深いのが奪三振率10.02を記録するなど、投球回数を上回る三振を奪っているところだ。これもまたセのリリーフ投手の中ではトップクラスの数字であり、阪神のクローザー、ドリスをはるかにしのいでいる。一般的に奪三振率が高いほど、ランナーを背負うことが多いリリーフ投手には適しているといわれており、その意味でも藤川の真骨頂がうかがえる。藤川は全盛期と投球スタイルを大きく変えて復活したのではなく、球速こそ少し落ちたものの、基本は火の玉ストレートを一番の武器にしたまま、そこにベテランならではの卓越した技術を加味して新境地を切り開いている。

 近年、球界ではトミー・ジョン手術が一般的になり、術後は「球速が戻る」という説が広く知られるようになった。しかし、その一方で実際の手術経験者の多くは、例えば松坂のように、術後に球速が落ちて投球スタイルの変更を余儀なくされているため(加齢のせいもあるだろうが)、なんとなく先述の説には懐疑的なところもあった。

 そんな中、この藤川はひとつのモデルケースになるのではないか。阪神のチーム事情では今のところ藤川のクローザー抜擢はないようだが、もしそれが実現したら……。通算250Sの目も出てくるかもしれない。

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