著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

虎党として思う 阪神はいっそ最下位に終わったほうがいい

公開日: 更新日:

 現在、阪神タイガースは極めて深刻な問題を抱えている。生え抜きの若手育成を中心とする大改革を目指していた金本知憲監督の就任3年目。そろそろ一定の結果を求められる時期だが、チームの順位はともかく、若手育成という最重要課題については厳しい現実を突きつけられている。

■金本体制に感じる限界

 就任1年目に頭角を現した高山俊北條史也原口文仁の3人がそのまま主軸に定着することはなく、就任2年目の昨季に芽を吹いた中谷将大大山悠輔の和製大砲候補も、今季はやはり伸び悩んだ。投げては藤浪晋太郎の苦悩、秋山拓巳と岩貞祐太の(悪くはないんだけど)いまひとつ突き抜けない状態。さらには肝いりの外国人大砲が失敗を繰り返し、自慢のリリーフ陣にも綻びが出始めた。これはもう、何かが根本的におかしいのだろう。就任1年やそこらでとやかく言うのは早計だが、3年目の後半ともなると事情は違う。私は虎党の一人として、金本体制に限界を感じる。

 よって、現在の阪神が借金6と低迷しているのは、来年以降の体制を見直すためには必要な、もっと言えば望ましい結果かもしれない。これが中途半端に勝率5割近辺でシーズンを終えてしまったら、球団も現体制の問題点(組閣の人事や育成方針、ドラフト戦略、そもそもの球団ビジョンなど)とシビアに向き合えないのではないか。ご存じ、関西の野球メディアは阪神の短期的な勝った負けたで論調をころころ変える傾向にあるわけだから、阪神がチーム成績としては及第点に達すると、その成績の奥底に横たわっている噴火寸前の問題点をわざわざ掘り起こさなくなるだろう。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性