今後なでしこベテラン4人はもっと“ベテラン風”を吹かせて

公開日: 更新日:

【特別寄稿】早草紀子(フォトジャーナリスト)

 なでしこジャパンのフランスW杯がラウンド16で終わった。オランダとの決勝トーナメント1回戦は、先制を許すも今大会に入って初めて前半のうちに追いついた。

 決定機も多く作った後半だけに悔いの残る結果となった。

 終了間際にDF熊谷紗季(リヨン)のハンドによるPKが決勝点となったが、守備の人間であれば、シュートに入ったところのブロックに入るのは当然のこと。これまでもDF市瀬菜々(仙台)が、ハンドでPKを献上した際にも「仕方のないこと」と一蹴。むしろファウルを警戒して、最後の一歩を出せなくなることを恐れていた。

 無情にも、そんな熊谷にハンドの判定とイエローカードが出てしまった。 

 終了後のピッチではリヨンでともにプレーするMFファンデサンデンに健闘を称えられると、熊谷の涙腺は崩壊した。

 日本選手の前では、いつも気丈な熊谷が見せたキャプテンとしてではなく、一人のプレーヤーとしての姿だった。

 フランスW杯を目指すチームが発足すると牽引力を買われ、当然のようにキャプテンを任された。

 日頃、フランスでプレーする熊谷は毎回の代表活動に参加することは叶わなかったが、それでも合流すれば、必ず毎回複数名投入されている“名前も知らない選手”たちの特長を知ろうと自ら話し掛けていった。若い選手を生かすには<自分が彼女たちを知らなければならない>という一念を持ち続けた3年間だった。

「プレッシャーに行ってるつもりでも、実際にはまたくボールに行けてない」と、若手に厳しいことを伝えたときもあった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒