10代で史上初本塁打王を狙う燕・村上「勝利打点」の価値
28日は6打数1安打だったものの、もっか31本塁打(リーグ3位タイ)、86打点(同1位タイ)と活躍中のヤクルト村上(19)。高卒2年目以内の限定記録とはいえ、清原(西武)が1986年の1年目にマークした31本、さらに53年に2年目の中西太(西鉄)が記録した86打点と、大先輩たちが残した数字に肩を並べている。
一方、村上の記録の価値を疑う向きもある。清原は1年目からチームの日本一に貢献。それに比べ、今のヤクルトは大差の最下位。さらに村上は首位を独走する巨人からは、球団別最少の2本のホームランしか打っていない(パを除く)。村上の記録にケチをつけるつもりはないが、野球はあくまでチームスポーツ。その意味で、村上の打撃はどれほどチームに貢献しているのだろうか。
その指標のひとつになるのが「勝利打点」だ。試合の勝敗を決めた一打の数は、かつて個人タイトルにも数えられていた。
村上のそれは28日現在「9」。これはリーグでも上位に入る数字だ。そのうち、本塁打での勝利打点は「8」。巨人戦での2本塁打は、いずれも試合を決める一発だった。
「同点打」「勝ち越し打」「逆転打」という貴重な一打を放ったのも合計15試合。得点圏打率こそ・263と低いが、ここぞという場面で強いことがわかる。