【特別寄稿】阿部の天才的な打撃は父東司さんの教えの賜物

公開日: 更新日:

高橋善正(元巨人投手コーチ・元中大監督)

 父・東司さんは千葉・習志野高時代に同級生の元阪神・掛布とクリーンアップを組んで(1972年夏)甲子園に出場。その後、中大でも捕手としてプレーした。そんな父の影響を慎之助は色濃く受けている。

 慎之助が中大に在籍している頃、私はOB会長だった。リーグ戦で初めて見た時、「肩が強くていい捕手だな」と思ったが、打撃の印象は薄かった。大学3年時の2月に招待選手として日本ハムの春季キャンプに参加した慎之助を沖縄で視察。逆方向のレフトへサク越えを放っていて感心した。一緒に見ていた東司さんに「意外に打撃もいいね」と言うと、「今、知りましたか?」とうれしそうに笑っていた。東司さんによると、開きを抑えるため、練習では逆方向を意識して打つことが多いという。「気持ち良く引っ張る打撃なんて練習じゃねえ」と徹底的に教え込んだそうだ。慎之助が子供の頃から父が一番の「コーチ」だった。

 私は2008年から中大の監督を務めた。ある年のオフ、慎之助に「時間があったら大学のグラウンドに顔を出してやってくれよ」と電話をかけたことがある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  3. 3

    広陵・中井監督が語っていた「部員は全員家族」…今となっては“ブーメラン”な指導方針と哲学の数々

  4. 4

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  5. 5

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  1. 6

    最速158キロ健大高崎・石垣元気を独占直撃!「最も関心があるプロ球団はどこですか?」

  2. 7

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  3. 8

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  4. 9

    開星(島根)野々村直通監督「グラウンドで倒れたら本望?そういうのはない。子供にも失礼ですから」

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理