W杯優勝カップは国王や大統領であっても触れてはいけない
                         ワールドカップの宴がたけなわだ。開幕前には「日本にラグビーは必要ない」なんて言う人もいたが、日本戦以外の対戦カードのテレビ視聴率も悪くない。そこでコラムニストいとうやまね氏による連載「ラグビー四方山話」。第1回は優勝カップにまつわるアレコレをお届けします――。
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 ラグビーワールドカップの各スタジアム周辺駅には、巨大な化粧幕やモニュメント、歩道を飾るタペストリーが世界中のファンを出迎えている。
 そのモチーフのひとつが「ウェブ・エリス・カップ」。この金色の優勝トロフィーは出場20カ国のうち、たったひとつのナショナルチームの頭上に掲げられることになる。
 トロフィーは開幕前に各地を回ったが、富士山にも登っている。御来光と雲海をバックにした写真が実に神々しかった。 高さ47.2センチ、重さ4.5キロを運ぶのは、さぞかし大変だったに違いない。意外と知られていないことだが、ウェブ・エリス・カップは優勝経験者以外、直に触れてはならないという暗黙の了解がある。それは国王であっても、大統領であっても、である。
                    

                                    
                                        
















