元川悦子
著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

目指すのはマークされてもスピードで相手をぶち抜ける選手

公開日: 更新日:

前田大然(22歳・ポルトガル1部マリティモFW)

 ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)の故郷として知られるマディラ諸島。首都リスボンから空路2時間のリゾート地で、東京五輪出場を目指す快足FW前田大然(マリティモ)が躍動している。当初3カ月間は、家族も通訳もサポートスタッフも不在の中で孤軍奮闘。新天地で公式戦10試合出場3得点と気を吐いている。同リーグ所属の中島翔哉(ポルトMF)以上の輝きを放っている22歳の現状に迫った。

 ◇  ◇  ◇

「日本人がいないリーグに行きたい」と熱望した前田にマリティモからオファーが届いたのは7月半ば。6月に長女・爽世(そよ)ちゃんが誕生したばかりで「正直、迷った」と言うが、J2松本山雅から1年間のレンタル移籍を決断。オファーの1週間後には、単身でマリティモに赴いた。

 最初はホテルから練習場に通った。ポルトガル語を話せず、サントス監督の指示も理解できない。仲良くなったブラジル人FWに手助けしてもらいつつ、必死に食らいつくのが精一杯だった。

「『前後左右』とか『何タッチ』とかサッカーで使う言葉って決まってくるじゃないですか。それを家に帰って調べて、次の日はほんの少し聞き取れるようになる。その繰り返しでした」

 練習場も粘土質のピッチで雑草が生い茂っている状況。クラブハウスも設備が整っていないかった。

「体のケアは、家でストレッチポールをするくらい。筋トレルームも普段カギがかかっているんで、空いている時にこそっとやるくらい(苦笑)。10月中旬に家族が来るまでは食事も外食でしたし、いろんなことを自分でコントロールしなきゃいけない状態でしたね」と苦笑する。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  2. 2
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  3. 3
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

  4. 4
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 5
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  1. 6
    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

    新婚ホヤホヤ真美子夫人を直撃、米国生活の根幹揺るがす「水原夫人」の離脱

  2. 7
    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

    違法賭博に関与なら出場停止どころか「永久追放処分」まである

  3. 8
    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

    大谷翔平のパブリックイメージを壊した水原一平通訳の罪…小栗旬ら芸能人との交流にも冷たい視線

  4. 9
    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

    小室圭さんが窮地の大谷翔平の“救世主”に? 新通訳&弁護士就任にファンが期待

  5. 10
    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終