宮城野部屋ケンカ騒動が角界に浴びせた冷や水 稽古萎縮も

公開日: 更新日:

 12日に初日を迎える大相撲1月場所。賜杯は大関昇進を目指す朝乃山か、それとも貴景勝の手に渡るのか。あるいは白鵬が久々の2場所連続Vを達成するかなど、話題になっている。

 そんな盛り上がりに水を差したのが宮城野部屋のケンカ騒動だ。当事者である石浦(30)は減俸とけん責、宝香鵬(30)はけん責のみ。ネットを中心に世間では「大甘処分」「最低でも出場停止」と非難轟々だが、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「これ以上重い処分だと力士が萎縮する」と話した。

 過去、暴力で出場停止になった力士は、主に上下関係を利用したことが問題になった。今回は関取で弟弟子の石浦、幕下ながら兄弟子の宝香鵬という、対等に近い者同士の稽古中のケンカだ。これを「同じ暴力だ!」というのは、ミソもクソも一緒くたにするようなものだろう。

 芝田山親方の言い分には一理ある。ある親方は「拳で殴り合うのは論外だが」と、こう続ける。

「これで激しい稽古が減ったら、それこそ本末転倒だからね。オレは貧乏な生まれだったから、出世して金を稼いで親に楽をさせたいと思って血眼になった。でも、今は普通の家庭の子、裕福な生まれの子も多いからか、ガツガツしてない。稽古もおとなしくなった。最近はイキのいい若手が多いけど、力士がヘンに萎縮しちゃったら、この流れにも影響が出かねない」

 石浦らが思っている以上の冷や水になるかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    全英V山下美夢有の「凱旋フィーバー」は望み薄…6年前の渋野日向子と決定的な違いとは?

  2. 2

    金足農・吉田大輝は「素質は兄・輝星以上」ともっぱらだが…スカウトが指摘する「気がかりな点」

  3. 3

    叡明(埼玉)中村監督「あくまで地元に特化したい。全国から選手を集めることは全く考えていません」

  4. 4

    中居正広氏に新事実報道!全否定した“性暴力”の中身…代理人弁護士は「出どころ不明」と一蹴

  5. 5

    東洋大姫路(兵庫)岡田監督「大学からは『3年で』と言われたけど、ナンボ何でも無理ですと」

  1. 6

    国民民主“激ヤバ”女性議員の選挙違反疑惑には党本部が関与か…ダンマリ玉木代表に真相究明はできるのか?

  2. 7

    清原和博さんの「思わぬ一言」で鼻の奥がジーン、泣きそうに。チーム内では“番長”とは別人だった

  3. 8

    嫌というほど味わった練習地獄と主力との待遇格差…俺の初キャンプは毎日がサバイバルだった

  4. 9

    例年の放送目前に「今年は27時間テレビないのか」の声が続々 2011年には中居正広氏に「女性に溺れる」との予言の因果

  5. 10

    巨人の正捕手争い完全決着へ…「岸田>甲斐」はデータでもハッキリ、阿部監督の起用法に変化も