著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神ドラ2に最も注目 井上広大に託したい萩原誠のリベンジ

公開日: 更新日:

 この手のパターンで思い出すのは、1991年に阪神ドラフト1位で一本釣りした萩原誠(大阪桐蔭高校)だ。一本釣りといっても、かつての西武のように中央球界では無名の隠し玉を探してきたわけではなく、萩原はその年の夏の甲子園を制した優勝チームの4番打者だった。つまり、他球団がその存在をよく調査したうえで指名を回避した選手を阪神は1位指名したということだ。

 結果はご存じのとおり、萩原はミスタータイガース・掛布雅之の背番号31を受け継ぎながら、プロではほとんど活躍できなかった。一説によると三塁守備が拙く、期待された長打力も木製バットのプロでは通用せず、平凡な中距離打者にスケールダウンしたという。

 プロ入りの経緯を見ると、今年の井上は当時の萩原によく似ている。しかも、井上に与えられた背番号は萩原の31に1を足した32だ。もしかしたら、阪神球団も萩原のリベンジを井上に託しているのかもしれない。

 ただし、萩原と井上が違うのは井上が長距離砲にふさわしい巨漢であることだ。身長178センチとプロとしては小柄だった萩原と、187センチの井上。でかい選手はそれだけでロマンを感じる。少なくとも井上が大砲タイプであることは間違いないだろう。虎の歴史を知る者としてはそこに大きな期待を抱くのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性