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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

自画自賛のMGCで露呈した陸連の無知とマラソン界の問題点

公開日: 更新日:

 東京オリンピックのマラソン代表を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は、8日のびわ湖毎日マラソン、名古屋ウィメンズマラソンをもって終了し、男女3人ずつの代表が確定した。

 日本陸連はこれまで何かと紛糾したマラソン代表選考として新方式MGCを導入。記録向上で大成功と自画自賛しているが、それほどでもないだろう。

 新方式は既存の国内大会を“一発選考レース”のMGC予選会(昨年9月15日)と位置付けた。五輪本番(8月8、9日)を想定し、暑さの残る時期に本番とほぼ同じコースで2人を選び、1人を3月までの国内大会の結果で決める方式。理想的に見えたが、その過程で発生した幾つかのトラブルに日本のマラソンの問題点が露呈した。

 まず昨年3月、世界陸連(WA)が東京オリンピック参加標準記録を発表。男子マラソンの2時間11分30秒に衝撃が走った。暑さ対策を絡めたMGCは優勝タイム2時間12~13分を想定していたからだ。WAを説得して5位まで代表権を与える特例措置を得たのは2カ月前。実際に、MGCの優勝記録はぎりぎりの2時間11分28秒で、2番目の代表は標準記録をクリアしなかった。

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