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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

自画自賛のMGCで露呈した陸連の無知とマラソン界の問題点

公開日: 更新日:

■厚底の現実を知らなかった

 前回のリオ大会の標準記録は2時間19分。なぜ一気に7分半も短縮されたかの論議はスルーされたが、いまなら誰でも分かるだろう。厚底シューズの普及によるマラソンの変化を陸連は知らなかったのだ。世界選手権(9月27日~、カタール)軽視の日程も国際的非常識で、井の中の蛙と見られても仕方がない。

 次に飛び込んだのが札幌移転だ。東京の夏のマラソンが危険という指摘は当初からあったが、選手の健康を棚に上げて合理的対策を示せなかったし、IOC指令を頭越しとする批判も当たらないだろう。日本陸連の横川浩会長はWA理事で、直前の世界選手権の理事会にも出席していた。知らなかったは通らない。

 東京マラソン以降の3大会は、イベント自粛という政府要請を退けて強行された。びわ湖毎日はMGCファイナルチャレンジとうたい、大迫傑の記録(2時間5分29秒)を破れば逆転で代表が手に入るレースだったが、ペース設定は1キロ=3分で優勝予想タイムは2時間6分35秒。“チャレンジ”は初めからの偽看板、しかも選手たちが冷雨に震える中で機器の故障で10分もスタートが遅れる失態があった。政府要請を無視してまでやる大会だったのか。

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