コーチが実績のない若手選手に絶対に言ってはいけない一言
プロ野球の支配下登録選手は1球団70人までと決まっている。球団は毎年、数人を戦力外にして、数人をドラフト会議で補充する。70人の中でやりくりしながら、チームは成り立っている。
それまで在籍していた選手をクビ、あるいは放出してまで指名するのが新入団選手なのだ。チームの弱点を補うために、スカウトが長い年月をかけて視察し、指名に至っている。入団が決まった後は、最高で1億円の契約金が発生する。球団は入団前から大きな投資をしている。だから、一軍で活躍できるように育て上げるのが、私が長く務めてきた二軍コーチであり、二軍監督の職務なのである。
50年間もプロのユニホームを着てきた。もちろん選手の「好み」はある。この世界で伸びる、成功する技術的、身体的な特徴の目安はある。しかし、スカウトの目は別物だ。私なら取らないな、と思うような選手でも、そのスカウトが球団に指名を推薦した「長所」が必ずどこかにある。そこが大事なのだ。