著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

3大会連続メダルに貢献 世界一の名セッターは底なしの酒豪

公開日: 更新日:

1964年東京五輪・銅、メキシコ大会・銀、ミュンヘン大会・金 男子バレー猫田勝敏さん

 1964年東京オリンピックから、68年メキシコ、72年ミュンヘンまでの3大会で、まるで階段を駆け上がるように銅・銀・金のメダルを獲得。世界の頂点に立った日本男子バレーボール――。

 日本チームを牽引したのが“世界のセッター”と称された猫田勝敏だった。だが、彼の人生はあまりにも短かった。83年9月4日、40歳を迎えることなく、妻子に見守られながら泉下の人となった。死因は胃がん。底なしの酒豪だったと伝えられている。

 猫田が眠る広島市にある教徳寺。80歳を迎える直前の1月、亡き仲間の鎮魂の旅に出た、64年東京オリンピックのチームメートの菅原貞敬は、法名「厳顕院釋勝行」を前に両手を合わせた。猫田との思い出を語る。

「猫田にとって最後のオリンピックとなったモントリオール大会前だね。合宿先を訪ねた際、同じ部屋に泊まったんだが、朝方だった。『ドーン!』と音がして、とび起きたら『菅原さん、こうして一度ベッドから落っこちないと立てないんです』と。話を聞くと激痛が走るほど足腰が悪くなっていると言う。私の『病院に行け!』との言葉に『チームに迷惑はかけたくない』とね。責任感が強く、練習を休まない男だった」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 4

    大山悠輔に続き石川柊太にも逃げられ…巨人がFA市場で嫌われる「まさかの理由」をFA当事者が明かす

  5. 5

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 8

    どうなる?「トリガー条項」…ガソリン補助金で6兆円も投じながら5000億円の税収減に難色の意味不明

  4. 9

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 10

    タイでマッサージ施術後の死亡者が相次ぐ…日本の整体やカイロプラクティック、リラクゼーションは大丈夫か?