パワハラ中川親方“音声データ”入手 障害者差別発言の中身

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 ここに1つの音声データがある。時間にして2分21秒。弟子への暴言、暴行が発覚して2階級降格、部屋閉鎖処分となった中川親方(54=元前頭旭里)が、弟子に罵詈雑言を浴びせたものだ。

■「障害者丸出しなんだよ」

 再生してみると……。

「失礼します。先ほどはすいませんでした」

「先ほどはなにがすいませんでしただ」

「飯何杯食べたのか? と聞かれてすぐに答えられなかったことです」

「なめてんだろ?」

「違います」

あのな、そう言われても仕方ねえんだよ」

「はい」

「はい、じゃねえよ、おまえ。いい加減にしてくれよ、ホント、ふざけんなよ、マジで。ホントに、ここ、養護学校じゃないから。ヒジついて茶碗ここに置いてこうやって食べてるし、障害者丸出しなんだよ」

「はい」

「おい、ここは養護学校じゃないんだよ、養護学校で教わったろ、おまえコラ! ええコラ、あんまなめんなよおいこら。なめすぎなんだよ、おまえ、あほ! なめとんじゃないぞ。なめてるから、そういう態度がとれるんだよ。甘いんだよなオレは、おまえなんかすぐクビ!」

「はい」

「どんな態度とってんだよオレに対して、オレが甘いんだよな。クビ、クビ、これはだれに言っても、オレが言ってることが当たってるわ。あ? どんな態度とってんだ、師匠に対して、あ!?」

「はい」

「相当なめてるよな、おまえな。給仕のことは水に流してやったけど。誰に態度とってんだ。養護学校行ってこい、もう一回。ここは養護学校じゃないわ、行け! うんざりだ、うんざり!」

「失礼します」

 ここで音声は終わっている。聞くに堪えないパワハラ、差別発言のオンパレード。相撲協会は中川親方が「帯の結び方が汚い」「ちゃんこをこぼすな」と注意した際に殴ったことは事実と認定し、暴力、暴言が常態化していたことも認めている。しかし、今回明らかになった実態は、さらに想像を上回るものだった。

虫の居所が悪いだけで殴る

 事情を知る関係者によれば、弟子は中川親方から毎日のように冒頭のような罵声を浴びせられていたという。

 追手風部屋の部屋付きから、旧春日山部屋の力士を引き取って独立したのが2017年1月。あるタニマチ筋が言う。

「我々の前では弟子に対する暴言などはなかったので、驚きですよ。後々聞いたところによれば、力士が粗相をするしないにかかわらず、虫の居所が悪いと理由もなく暴力を振るっていたようです。力士たちは、『おかみさんも助けてくれない』と嘆いていたと聞いた。協会のコンプライアンス委員会の調査に対して、力士は恨みつらみをあまり言わなかったようだけど、『さらに親方に睨まれたら……』と戦々恐々で、すべてをぶちまけることはできなかったらしい」

■自粛期間中に連日の食事会で金集め

 このタニマチは参加しなかったが、3月の大阪場所では後援者らを連日のように宿舎に呼び、力士が寝泊まりする大広間で頻繁に食事会をしていたというのだ。

 こちらも、大阪の事情通が言う。

「会費は5000円。部屋には予定表みたいなものも張ってあって、何日に誰々が何名と、スケジュールが埋まっていた。当然、力士らはお客さんの相手をしなきゃいけない。言うまでもないが、当時は新型コロナウイルスによる自粛期間。協会も全部屋に『不要不急の外出は禁止、宿舎に後援者を呼んでもいけない』と通達していた。中川親方は協会に対して、『そんな通達があったなんて知らなかった』と、呆れた言い訳をしたそうです」

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、力士の健康管理より会費集めを優先したのか、日刊ゲンダイが入手した写真のように、段ボール紙を利用したスケジュール表には、「〇〇さま20名(カレーちゃんこ)」などと、食事会の予定がビッシリである。写真右側の予定が空白の日も、のちにほぼすべて埋まったそうだ。

 ちなみに部屋の閉鎖に伴い、弟子8人は全員、別々の部屋に移籍となった。これもすべて中川親方が独断で決めたもの。力士の中には「せめて2人一緒とかにしてほしい」と訴えた者もいたそうだが、中川親方は耳を貸さなかったという。

 現在、中川親方は時津風部屋の部屋付き。さらなる処分などはあるのか、危機管理部長を務める鏡山親方(元関脇多賀竜)に聞いた。

「現状でこれ以上の処分は考えていません。部屋閉鎖というのは重い処分。私も中川親方に会うたびに、事件についての注意をしています。再発防止に今まで以上に力を入れていきます」

 それにしても、とんでもない親方もいたものだ。 

【写真】【大相撲7月場所2日目】半年ぶり「有観客」開催に迫った!(21枚)

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