育成法で如実…ロッテ井口監督と日ハム栗山監督の“器の差”

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「若手を育てるためには、打てなくても我慢して使い続ける強い覚悟が必要です」

 こう語るのは巨人OBで元投手コーチの中村稔氏(評論家)だ。

 ロッテ井口資仁監督(45)は今季、2年間二軍でみっちり鍛えた高卒3年目の安田尚憲(21)を開幕直後から積極的に起用。7月19日の日本ハム戦は4タコで、この時点の打率は・172だった。それでも次戦の西武戦から4番に抜擢。29日の楽天戦では前夜に1試合3発を放った井上もいる中、21歳の左打者を4番から外さなかった。そこには「将来の大砲に育てる」という井口監督の信念がうかがえた。その安田は4番に座ってからの10試合は37打数13安打、打率・351、1本塁打、7打点。31日の楽天戦はエースの則本から3本のヒットを打った。前出の中村氏が言う。

「芽の出ていない若い選手を一軍の試合で育てることは、投手陣や同じポジションの選手にとっては不満でしょう。ファンから批判の声が上がることもある。それを承知で監督は使うわけです。昔の話になりますが、高卒でプロ入りした王貞治だって最初から打てたわけではありません。ルーキーイヤーは初出場から10試合の間、1本の安打もなかった。それでも当時の水原茂監督は王を使い続けたからこそ、初安打となる11試合目(27打席目)の決勝2ランにつながった。それからの活躍はご存じの通りです」

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