著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神佐藤よ 大打者不毛地帯を切り開く旗手になってくれ!

公開日: 更新日:

 ということは、その鈴木よりも分母が多い絶対王者・佐藤になってくると、さぞかし名選手の大渋滞が起こると予想できる。調べてみると、投手では阪急・オリックスで活躍した通算165勝右腕・佐藤義則、70年代の南海でリリーフエースとして活躍したパ・リーグ初代セーブ王・佐藤道郎、野手では西武などで長距離砲として活躍し、北京五輪でのいろいろも印象深いG.G.佐藤、印象深いという意味ではもはやそれしかないと言ってもいい元オリックスのパンチ佐藤。その他、佐藤兼伊知(元ロッテ)や佐藤孝夫(元国鉄)……。

 あれ、なんか佐藤ってちょっとしょぼい気がする(失礼)。いや、鈴木啓示&イチローという投打の大横綱2枚を擁する鈴木と比べてしまうと、佐藤の投打の筆頭格がやや見劣りしてしまうのは仕方ない。実際、佐藤義則は鈴木啓示との比較を考慮しなければ、まぎれもない大投手だった。

 しかし、野手はどうだろう。イチローとの比較を抜きにしても、佐藤には球史に残る大打者はおろか、通算1000安打以上を記録した選手もおらず、これはもう大打者不毛地帯と言っていいだろう。おそらく知名度のトップはパンチ佐藤だ。
それを踏まえると、阪神佐藤輝明はますます期待の逸材だ。彼が大打者に成長すれば、球界における佐藤という大打者不毛地帯を切り開くパイオニアになりえる。阪神のみならず、球界の佐藤史を背負うスラッガーとして、ライバル・鈴木に一矢報いてほしい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋