阪神開幕ダッシュ成功で矢野監督に浮上する続投&長期政権

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藤浪が今季初勝利、佐藤が場外弾で大勝

「この快進撃が続けば、長期政権もありますよ」

 3年契約の最終年を迎える阪神の矢野燿大監督(52)について、早くも球団周辺でこんな声が聞かれる。

 9-2と大勝した9日のDeNA戦は、先発の藤浪晋太郎(26)が7回2失点と好投。登板3試合目にして今季初勝利を挙げると、六回には黄金ルーキーの佐藤輝明(22=近大)が右中間に特大の場外弾を放った。

 これでチームは13試合を終えて、9勝4敗で首位を快走。昨季は開幕から12試合で2勝10敗と大きく出遅れたものの、今季はオープン戦で首位だった勢いをそのまま維持している。

 しかも、前カードの甲子園で行われた巨人3連戦は2勝1敗。昨季は8勝16敗と大きく負け越した宿敵相手に勝ち越したことで、在阪メディアもファンも盛り上がっている。

 今季の阪神は佐藤輝の加入がチームへの刺激となり、打線が昨年より活性化。藤浪もこれまで悩まされてきた制球難を徐々に克服しつつある。近年の課題である守備はまだまだ改善の余地はあるにせよ、矢野監督はぜいたくな悩みすら抱えているという。

「助っ人のサンズが開幕から好調を維持し、抑えのスアレスは昨年同様の安定感がある。先発に転向したガンケルも2勝0敗と結果を残している。一軍に出場できる外国人選手は4人しかいない中で、二軍には実績がある先発のチェンと中継ぎのエドワーズが控えている。コロナ禍で一軍合流が遅れている新助っ人のロハス・ジュニア、アルカンタラの2人を含め、どう使い回そうかと、うれしい悲鳴です」(放送関係者)

 投打のチーム成績自体は目立った数字が表れていないが、近年にない好材料が揃うだけに、2005年以来のリーグ優勝を期待するムキは多い。

藤原オーナーが高評価

 そんな中、親会社の阪神電鉄や球団内では矢野監督の手腕に対する評価が高まりつつあるという。阪神OBがこう言う。

「藤原崇起オーナー兼球団社長が改めて、矢野監督を評価しているそうです。なんだかんだと言われながらも、昨年まで3位、2位とAクラス入り。今季は見事な開幕ダッシュです。佐藤輝を根気強く起用し、藤浪の復活もアシストしたとみているそうです。藤原オーナーは昨年、選手、関係者がコロナに集団感染した責任などを取り、辞任した前社長の後を受けて球団社長を兼務することになった。ただ、本社業務もあるため、球団は非常勤。もともと野球に強い関心を寄せていたわけではないし、後任の社長が決まるまでのつなぎと言われていた。しかし今は週に2度ほど球団に足を運び、試合を含めて細かくチームをチェックしています。このまま首位を快走し続けるようなら、早ければシーズン途中の契約延長決定もあり得ますよ」

 近年の阪神監督は、2代前の和田監督が4年間、前任の金本監督が3年間務めたが、ともに成績不振で辞任を余儀なくされた。

「矢野監督も勝負の3年目を迎える今季、下位に低迷するようなら、次期監督問題が浮上する可能性はあります。ただ、球団としては、和田、金本、矢野の3監督についてはそもそも、5年はやってほしいという考えでオファーしている。最大2年間の契約延長は既定路線とも言われています」(前出のOB)

チームの調子が落ちれば手のひら返し

 阪神は、4月1日付人事で、谷本修副社長が球団全体を統括することになり、嶌村聡球団副本部長が球団本部長に昇格した。将来的な「谷本社長体制」への移行を見据えていることがうかがえると同時に、矢野政権の後ろ盾がより強固になったともいえる。前出のOBが続ける。

「昨季、開幕序盤から中盤にかけて成績がパッとしなかった際には、球団内外で05年優勝監督である岡田彰布氏の再登板を望む声が上がった。ただ、今の阪神には、これといった後任候補がいるわけでもない。さらに、親会社の阪急阪神ホールディングスは先日、コロナ禍で苦しい経営を迫られている新阪急ホテルなど6つのホテルを順次、閉鎖することを決めた。球団も昨年に続き、観客動員数が制限されるなど、2年連続の大幅な収入減は必至。新監督を招聘すれば、コーチを含めた契約金も必要になるし、大金をかけて動きづらい部分もあるようです」

 とはいえ、シーズンはまだ開幕したばかり。いくら開幕ダッシュに成功したからといっても、まだ130試合以上も残っている。

 阪神は熱狂的なファンとメディアがいる。勝っているときは良くても、いったん負けが込み始めると、イの一番に監督に批判の矛先が向く。実際、金本監督は新たに3年契約を結んだ1年目に最下位に低迷。ファンの間で「金本批判」が巻き起こり、辞任に追い込まれた。阪神監督の任期はあってないようなものだ。まして、過去2年間はたびたびファンから、矢野監督の作戦や選手起用に対する不満の声が出ていた。いったんチームの調子が落ちれば、手のひら返しで矢野批判が噴出する可能性はある。

 球団の思惑通り、矢野長期政権が実現するのか、果たして……。

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