広島・鈴木誠也が激白! 五輪への決意とメジャーへの思い

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 広島の主砲・鈴木誠也外野手(26)が日刊ゲンダイのインタビューに応じた。昨季は史上4人目の「5年連続3割25本塁打」をマーク。侍ジャパンの稲葉監督から4番を託される可能性が高い東京五輪への決意、将来的なメジャー挑戦への思い、新型コロナウイルスの感染拡大に疲弊するファンにメッセージを送った。
(聞き手=増田和史/日刊ゲンダイ)

■日々変化することに理由はない

 ――今季は軸足に重心を残してポイントを近づける打撃に取り組んでいる。昨季は「5年連続打率3割、25本塁打」をマークしたのになぜ?

「スイング軌道も投球に合わせてレベルスイングにするように変えてみたんですけど、今の形はほとんど変わっていないというか、戻したんです。毎年変化しないといけないと思っていて、やってみないと分からないことってたくさんある。今までやってきて合うこと、合わないこと、それを分かった上で、春のキャンプで変えながら実戦に入って、この打ち方がいいかなという感じで再確認して、取り入れたり捨てたりします」

 ――シーズン中も変え続ける?

「開幕して多くの投手と対戦すると課題が出てくるので、試行錯誤しながら臨機応変に対応していくのが僕の形。変えることについては、あまり理由はないかな」

 ――東京五輪が迫ってきた。

「開催されるか分からないですけど、その日がくれば、しっかりやるだけです。まずはシーズンの成績が良くないと選んでもらえないので、結果を出すこと。ケガをしたら出られなくなるので、ケガには気を付けたいですね」

 ――2019年のプレミア12では稲葉監督に「4番」で起用されてMVP。地元開催の五輪で4番のプレッシャーは?

「プレミアの結果は、たまたまそうでしたけど、今調子が良くないと選ぶ方も不安になると思うので、まずはシーズンでしっかり結果を出さないことには何も始まりません。シーズンの成績があまりに酷ければ、僕が監督なら選びません。選んでもらえるような成績を残したい。今はそれしか考えていません。プレッシャーはその後の話です」

 ――夫人(元新体操選手の畠山愛理さん)はロンドン、リオと2度の五輪を経験。五輪の話はすることはある?

「あまりしないですね(笑い)。僕は家で競技の話をしないんです。家に持ち帰りたくないというか、普段も球場で切り替えてから帰ります。でも、新体操はみんなが五輪を目標にしている。野球は他にWBCなどの大会がある。その辺は違うかもしれません。ただ今回は東京。やっぱり特別感はありますね」

 ――五輪の目標は?

「まずはしっかり戦うこと。やっぱり誰にも負けたくないので、目指すのは優勝、金メダルしかありません」

メジャーには行きたいけれど…

 ――侍ジャパンでチームメートになりそうな巨人のエース菅野から4月9日の今季初対戦で初本塁打。以前「この人を打つためにやっていた」と話したことがある。

「確かにうれしいですけど、たかが1本打っただけ(1日現在2本)。菅野さんがギアを上げてくれば、なかなか打てません。まだ『打った』とは言えません」

 ――その菅野は昨オフに続き、今オフも挑戦するかもしれないが、かねて抱いているメジャーリーグ挑戦について今の気持ちは?

「もちろんチャンスがあれば、若いうちに行きたい気持ちは持ち続けています。でも、まだはっきりいつとは……。タイミングを見てですね」

■他人のことを考えて行動すれば

 ――コロナ禍で疲弊しているファンに向けて。

「なかなか収まらないですよね。世界中が『まだ続くのか』とうんざりしていますけど、個人個人が『関係ねえよ』と思ってしまうと、感染者は増える一方だと思います。今はどう考えても、よろしくない状況。ただ、少し我慢すれば、今まで通りの生活ができるようになります。ゴールデンウイークは遊びに出掛ける人が多いと思いますけど、自分のことだけを考えるのではなく、他人のことを考えながら行動すれば、いつもの日常が必ず戻ってきます。今は一人一人が力を合わせる時。そんなファンの方たちにとって、少しでも癒やしになるように、僕たちは一生懸命プレーするだけです」

▽鈴木誠也(すずき・せいや1994年8月18日生まれ、東京都出身。二松学舎大付から、2012年ドラフト2位で広島入り。19年に初の個人タイトルとなる首位打者と最高出塁率。同年のプレミア12では4番として世界一に貢献してMVP。昨年は5年連続5度目のベストナイン、2年連続4度目のゴールデングラブ賞。181センチ、96キロ。右投げ右打ち。21年は球団野手史上最高の年俸3億1000万円(推定)。

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