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三枝成彰作曲家

1942年、兵庫県生まれ。東京芸大大学院修了。代表作にオペラ「忠臣蔵」「狂おしき真夏の一日」、NHK大河ドラマ「太平記」「花の乱」、映画「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」「優駿ORACIÓN」など。2020年、文化功労者顕彰を受ける。

日本人を“奴隷扱い”したIOC 日本政府はなぜ抗議しないのか

公開日: 更新日:

 バッハ会長とコーツ副会長の母国であるドイツやオーストラリアで開催するとしても、同じことが言えるのか? と聞きたい。日本は依然として感染が収まらず、医療が逼迫(ひっぱく)し、不況にあえいでいる。国内外で議論が巻き起こっているのに、あのように平然と言い放つ神経が信じられない。

 私自身は今まで、オリンピックが開催されようとされまいと、どちらでもかまわないと思っていた。

 だが、今回の2人の発言を受けて、気持ちは断然、開催中止に傾いた。

 IOCは、米NBCと2032年まで6大会分の放映契約を結んでいる。8000億円を超える放映権料を手にするため、とにかくオリンピックを開催させたいのだ。それで開催地の国民感情や逼迫する情勢を考慮に入れず、自分たちの都合だけで推し進めようとしている。その態度には腹が立つし、それを唯々諾々と受け入れている日本政府にも怒りを覚える。

 IOC首脳の勘違い発言に一矢報いるためにも、オリンピックは中止すべきだ。

 先日、国連のグテーレス事務総長が「私たちは今、ウイルスと戦争をしている」と発言した。これは日本が開催中止に動くときの支えになるかもしれない。政府には、開催中止の場合、1630億円に及ぶというIOCへの賠償金の支払いが生じることが、大きな懸念なのだろう。だが一方で、「参加者の安全が深刻に脅かされているとき」は開催を返上できる規定があるという。それなら傷つかずに「名誉ある撤退」ができる。

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