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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

日本マラソン界に再生の道はあるのか…「上げ底記録主義」に突き進む陸連の大罪

公開日: 更新日:

 トラック中長距離にペースメーカーがつくようになったのは1980年代からで、商業化により格付け基準が必要になったためである。

 一方、マラソンのペースメーカーはロサンゼルス五輪の金メダリスト、カルロス・ロペスが38歳で世界記録(2時間7分12秒)を出した85年のロッテルダムが最初。ロードレースで記録は重視されなかった。

 そこでナイキ社が、オランダの平坦コースを使って記録の概念を打ち出した、商業路線に沿う画期的企画だった。日本陸連はアマチュアリズムを盾に、規則に抵触する“助力”として公にしなかったのだが、実際には起用していた。93年の東京国際でスタートから飛び出した南アのゲルト・タイスが30キロ前で肩をすくめて止まった。

「大きく引き離したにもかかわらず、何度も振り返る落ち着きのない走りで、オーバーペースは明らか」(毎日新聞)

 新聞はそう書いた。違うのだ。ペースメーカーの完走も認められたが、タイスは1カ月後にびわ湖で初マラソンを走ることになっていたのだ(3位)。

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