著者のコラム一覧
春日良一五輪アナリスト

長野県出身。上智大学哲学科卒。1978年に日本体育協会に入る。89年に新生JOCに移り、IOC渉外担当に。90年長野五輪招致委員会に出向、招致活動に関わる。95年にJOCを退職。スポーツコンサルティング会社を設立し、代表に。98年から五輪批評「スポーツ思考」(メルマガ)を主筆。https://genkina-atelier.com/sp/

(2)バッハ会長はプーチン大統領に甘すぎた 「政治的中立」を「矛」として使うべきだった

公開日: 更新日:

 バッハ会長がドイツ放送局ZDFの取材に昨年12月に応じたコメントがその姿勢を明確に表している。

 五輪には世界を変える力があると信ずる私にはショックな一言であったが、バッハ氏は13年9月に第9代IOC会長に就任して以来、政治的に精力的であった。

 16年リオ五輪では難民危機に際して「難民選手団」を結成し、18年平昌冬季五輪では南北統一コリアの選手団による入場行進を挙行、五輪史上初の南北統一チームをアイスホッケー女子で実現させた。

■政治的対立と北京五輪の混乱を予測していたが…

 その後、「政治的中立」はバッハ政権を支えるキーワードになり、18年10月の総会で初めて五輪憲章に加えられた。スポーツの「自律」を規定する五輪憲章の「オリンピズムの根本原則5」では、「……スポーツ団体は、……自律の権利と義務を持つ」となっていたが、その前の部分に、「スポーツ団体は……政治的に中立でなければならない」と明記された。そこにはバッハ会長の洞察があった。予防線と言っていいかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった