アーチェリー銀メダル山本博さんは今年還暦 それでもパリ五輪に挑むモチベーションとは

公開日: 更新日:

非現実的なことに立ち向かう“遊びの部分”を楽しみたい

 山本博はこの20年の間メダルから遠ざかり、出るのが当たり前だった五輪の切符を逃したこともあったが、過去の栄光や財産をすべて吐き出し、1回リセットしたことが成功だったと振り返る。

「(アテネ五輪の頃は)アーチェリーそのものを純粋に楽しんでいた10代の頃の自分に戻れた気がしましたね」

 そんな無欲の姿勢でアーチェリーと向き合えたことが、どん底からの復活劇につながったのだ。

 ところで、驚くのはまだ早い。今年10月に60歳の還暦を迎える山本さんは、いまだに母校の教授をしながら競技も続けているのだが、6回目のオリンピックを狙う気持ちに衰えはないという。

「アーチェリー選手と教員は似ているところがあるんです。それは、どんなに頑張っても儲からないということ。アマチュアスポーツのアーチェリーは大会の入場料すらいただけないんです。教員だって一生懸命教えても、適当に教えても給料は一緒。それでも僕が一生懸命やっているのはプライドがあるからです。会場のお客さんをいかに感動させられるか、学生たちにどれだけ素晴らしい教育を提供できるか。どんな仕事にもサービス精神は大事だと思います」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑