元プロ野球選手・五十嵐亮太さん 2010年のMLBデビュー「この時が来た! 勝手に足が動いて…」

公開日: 更新日:

大谷は不可能を可能にする

 ──先のWBCの話をうかがいます。アメリカでメジャーリーガー相手のWBC決勝戦。アメリカからすると、同じ投手と2度対戦できないような小刻みな継投でした。

 投手が頑張りましたよね。メキシコ戦でも日本の投手がふた回りに入ると反応し始めてましたからね。アメリカも反応よかったですよ。どの投手でも前のバッターへの投球を見て、すぐ対応できる。いい例が戸郷投手の時で、トラウト選手が三振した後の2人はフォークをきっちり見送ってフォアボール。「打席に入ってないのに、もう見送れるんだ」と。

 ──大谷選手に関してはどう思われますか。

 DHで出場して、ブルペンで肩をつくって、クローザーやるなんて数日経った今も信じられないですね。「あんなことよくできたな」と。大谷選手は不可能なことを可能にします。「できないことなんかないんだ」という前向きなメッセージを与えてくれる選手です。

 優勝して野球人気が盛り上がるだけではなく、暗くなりがちな今の世の中で、この明るいニュースで前向きになれた人が大勢いたんじゃないかと思います。僕もその中の一人です。大谷選手と侍ジャパンには生きる希望をもらえた。

 開幕したプロ野球にもそういう力を見せてもらいたいと思います。

(聞き手=松野大介)

五十嵐亮太(いがらし・りょうた) 1979年5月、北海道出身。97年のドラフト2位でヤクルトに入団。メジャーを経て20年に引退。現在はテレビなどで解説者として活躍している。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち

  4. 4

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  5. 5

    クマと遭遇しない安全な紅葉スポットはどこにある? 人気の観光イベントも続々中止

  1. 6

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲

  4. 9

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  5. 10

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が