元プロ野球選手・五十嵐亮太さん 2010年のMLBデビュー「この時が来た! 勝手に足が動いて…」

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メジャーデビュー登板「ついにこの時が来たな!」

 ──五十嵐さんにとって一番の「その瞬間」は?

 一番覚えてるのは2010年、メッツでの4月のメジャーデビュー登板。リリーフで登板するので、ブルペンがある外野裏からマウンドへ行くのですが、その時に見た光景は忘れられないですね。メジャーのスタジアムってカラフルじゃないですか。球場にいるだけで楽しくなるような。「ついにこの時が来たな!」「ここで投げるんだ」と意識した、その瞬間です。

 外野から結構距離がありますが、それでも「こんなに速く走らなくていいのに」と思うくらいなのに、勝手に足が動いてマウンドに向かったのを覚えてます。対戦チームがどこかはもう覚えてないのに(笑)。

 ──メジャー経験で帰国後に生かせたことはありますか。

 球種ですね。メジャーに行く前はストレートとフォークしか投げられなくて、日本でも途中からフォークがそんなに落ちなくなったんです。他の球種を練習で試してはみても、ストレートとフォークでどうにかやっていけて。そんな自分が好きではなかったんです。

 でも、アメリカに行ったら他の球種を投げざるを得ないんですよ。投げなければ通じなくなるから。アメリカにはいろんな打ち方の選手がいるし、投手はいろんな投げ方の投手がいる。見ていて参考になり、「自分もどんどん可能性を伸ばそう」と考え直し、「自分はストレートとフォーク」という偏った考え方がなくなった。具体的には、カーブを多用するようになり、投球の幅が広がりました。

 しかもそれを試合中に試す(笑)。練習ではもちろん投げますけど、練習中に使えるかどうか判断するのではなく、試合で試して投げきらないと決められないから。「こういうピッチングを日本に持ち帰ればいいんじゃないか」と自信になりました。帰国後はカーブやツーシームなど組み合わせながらやれました。

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