110m障害・泉谷駿介の恩師「あの走りで5位ならよくやった」順大陸上部顧問の世界陸上観戦記

公開日: 更新日:

 世界陸上男子110メートル障害決勝で、日本記録保持者の泉谷駿介(23)が13秒19の時計で5位入賞を果たした。この種目で日本選手の決勝進出は初。順大時代に泉谷を指導した越川一紀氏(現順大陸上部顧問)は、このレースをどう見たのか。

 ◇  ◇  ◇

 13秒16で1着だった準決勝(1組)は、勝とうとせず、力まず、ハードルに当たらず、楽に走っていた。決勝までは約1時間30分ぐらいあったが、その間に長めのマッサージを受けていたようなので疲れがあったのかもしれない。スタートした瞬間に両脚がつったのは不運だったが、これに関しては疲れというより精神的なものだろう。

 かつて、棒高跳びの沢野大地(リオ五輪7位)が、大舞台になるとよく脚がつっていたことを思い出した。準決勝のレース内容が良かったので3位までに入りたいという気持ちが強くなったと思う。決勝は1台目のハードルから突っ込んでいき、2台目で抜き脚をひっかけ、6、7、9台目も倒した。

 いつもより高く跳び、バランスも乱れ、あれだけハードルにぶつかりながら13秒19の5位入賞ならよくやったといえる。脚がつったり、腰のナンバーカードが左手についてしまうアクシデントがありながらもこの成績を上げられたのは、ダイヤモンドリーグの経験が大きいと思う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々