著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「真夏のマラソン」と日本人の「完走の美学」…ひたすらドラマを叫ぶメディアの愚

公開日: 更新日:

 1991年に東京で開かれた世界選手権も暑く、中山竹通は途中棄権して叩かれた。当時の世界選手権は正式には五輪の選考対象でなく、優勝した谷口浩美さえ「別にうれしくなかった」と振り返っている。中山は翌92年のバルセロナ五輪の選考レースを見据えて“美学”を捨て、その後の選考会を経てバルセロナで4位に入った。

 スポーツもオリンピックも普及し変化している。マラソンのゴールは人それぞれで、完走か棄権かは世論調査のごとく「どちらとも言えない」だろう。ただ、テレビも新聞もネットも、変化を否定するように、ひたすら完走の美学を称え、ドラマを叫び続けるのはウンザリだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」