著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

無期限活動停止をたった5日で解除…日大に求められるのは学生スポーツへの毅然とした姿

公開日: 更新日:

 日本大学アメリカンフットボール部の不祥事が波紋を広げている。

 部員の大麻所持をめぐり、大学から警察への報告が遅れ、無期限活動停止処分をわずか5日で解除……5年前の危険タックル事件からの体質改善を誓っていただけに、世間の失望は大きい。

 日大は学生数約7万5000人、全国に26の付属高校があり、現在進行中の甲子園大会にも傘下4校が出場している。これだけの巨大組織なら過ちも起きるだろうが大麻1本の背景には薬物蔓延への危機感もある。

 犯罪は司直に委ねるとして、日大には学生スポーツへの毅然とした姿勢を示して欲しい。個人の責任に限定した処分解除の判断からは大学のスポーツ観は見えてこないのだ。

 少子化に伴う定員割れでスポーツ推薦枠が膨らみ、大学の中には200人も300人も部員を抱える運動部がある。高校野球や箱根駅伝に顕著だが、我が国の学校経営におけるスポーツの位置付けは曖昧だ。戦前戦後の学制改革に沿った普及過程で、大会運営は常に新聞社の全国紙化とリンクしており、批判が十分に介在・機能しなかった恨みがある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー