“幕張の防波堤”に聞いた「つなぎの4番」はあり?なし? 広島と楽天で今シーズン威力発揮

公開日: 更新日:

打線が途切れにくいのはメリット

 投手として見た場合はどうか。

「『つなぎの4番』は嫌ですよ。特に当時のロッテのように、下位打線に長距離打者がいれば、なおさら。まったく気が抜けなくなる。上位打線ほど打順が多く回ってくるのは事実。打率を残せる打者をそこに配置し、下位打線には率は低いけど一発が期待できる打者を置く。オーソドックスではありませんが、これも理に適っており、特段デメリットもないでしょう。大砲タイプの打者は打率が低いこともあるので、その意味でも『つなぎの4番』なら打線が途切れにくいのはメリットのひとつです」

 岡本や村上に送りバントやエンドラン、進塁打のサインを出すわけにはいかないが、そんな遠慮や気遣いも無用。ベンチからすれば、采配の幅が広がるメリットもある。

 さらに小林氏が続ける。

「今季はセもパも『投高打低』が顕著。これという大砲がいないチーム事情があり、一発があまり期待できないとなれば、打率が低い長距離砲より、打率を残せる打者により打順を多く回そうと、広島楽天が判断したのかもしれない」

 すでにメジャーでは「2番打者最強論」が定着。優れた強打者ほど2番に配置すべし、という風潮がある。

 打順の役割も時代と共に変わっていく。「つなぎの4番」が当たり前になる日も近いか。

  ◇  ◇  ◇

 広島は得点力に課題があるものの、なぜこれほどまでに勝負強いのか。広島で投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏らが分析する「劇的な変化」とはーー。

●関連記事【もっと読む】…では、それらの「納得の理由」などについて詳しく報じている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした