著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭の復活と「脱亜入欧」からの脱却…《中国には大会を開きたい都市が100はある》

公開日: 更新日:

 国内ファンの前で6年ぶりのプレー。「木下グループジャパンオープンテニス(以下=木下JO)」の錦織圭は面白かった。

 1回戦で因縁のライバル、マリン・チリッチを下し、準々決勝で世界14位のホルガー・ルネ(21)をマッチポイントまで追い込んだ。ナダルも舌を巻いた切り返しからのウイナー、見て面白い錦織テニスにスタンドは大いに沸き、試合後の会見でこんな発言があった。

「トップ10にかなわないとは、正直、心の中ではあんまり思っていなくて……」

 大会前、トップ100に戻ることはできてもトップ10にはかなわないと話していたのだ。嘘をつかない男。「かなわない」と思っていたが、木下JOの3試合で変わった。「トップ10にも勝てるが、トップ10に戻るのはまだ難しい」と解釈しようーー肉体表現者の言葉はかように変化していく。

 ランキングは200位から153位に上昇したが、来季の全豪本戦入りに向け110位前後まで上げたいところ。ルネ戦のマッチポイントを取っていたら到達し、優勝の可能性さえ見えていた……強気の言葉は口惜しさ、手応え。故障者ランキングの特典期間は過ぎ、秋の欧州遠征は主催者推薦か予選からになる。暮れには35歳だから体力的に難しい判断だが、こんな先行きもあるのではないか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波