著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ドジャースが開設した日本向け公式ファンクラブが大成功 今後も広告はますます増える

公開日: 更新日:

 ところで、今回の一件で胸をなでおろしているのは、ファンクラブを開設したドジャースそのものであり、大谷を取り巻く関係者だ。

 仮に入会者数が伸び悩んだり、MVP会員の定員枠が埋まらなかったりすればどうなるか。

 現在、日本における注目度は大リーグ30球団随一とされるドジャースの人気がそれほど高くないとみなされかねない。さらに、MVP会員などの特典に首振り人形が採用されたことで注目を集める役割を担った大谷も、日本の人々の間で群を抜く知名度を持つスポーツ選手であり、試合の結果も注目されているものの、名声ほどの集客力がないと思われることになる。

 だが、4つの区分が日本のプロ野球の公式ファンクラブ同様の階層の年会費よりも高額で、米国内向けの金額が設定されているにもかかわらず申し込みが集中したことで、ドジャースの日本国内での人気の高さが証明されることになった。

 ファンクラブの入会者促進に協力した形の大谷も、その注目度と訴求力の大きさを実証した。

 この結果を受け、今後ドジャースは日本の企業に対して、ドジャースタジアムに物理的もしくはデジタルの広告を出稿することは日本国内向けにも有効であると強調する。そして、大谷の影響力を期待して広告に起用する企業はますます増えるだろう。

 球団の広報戦略の点でも、ドジャースは成功を収めているのである。

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