著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

年俸調停の公聴会は勝敗クッキリ…球団からボロクソ貶され「犠牲」になったケースも

公開日: 更新日:

 メジャーリーグでは基本的に3年目までの選手は最低年俸(今年度は76万ドル)と定められているが、4~6年目の選手は球団から提示された年俸額に不満な場合は、希望額を示して年俸調停を申請する権利を持つ(6年を過ぎるとFA権を持ち好きな球団と契約できる)。

 年俸調停を申請する選手は例年100人を超え(昨年は203人)、9割以上が2月に始まる年俸調停の公聴会までに球団と合意に達する。実際に年俸調停の公聴会の場に持ち込まれるのは1割以下だ(昨年は17件)。

 日本人選手では大谷翔平がエンゼルス時代の2021年に調停申請をした。球団の提示額250万ドルに対し、本人の希望額は330万ドルだったが、公聴会が開催される前に2年850万ドルで合意している。

 年俸調停の特徴は、球団側の提示額か選手側の希望額のどちらかが採用されるため、必ず勝者と敗者が決まりドローがないことだ。しかも調停にあたる3人の調停委員は野球に精通している人物ではないケースが多いため球団は選手をボロクソにけなしたり、不利なデータをたくさん示して、おとしめるような主張をすることが多い。そのため、選手との間に大きなしこりが生じることが少なくない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝