ロッテ吉井監督と長嶋茂雄氏との“浅からぬ縁” 巨人移籍せず米メッツ入り決断、その意思を直接伝えると…
「その年、巨人は63勝72敗と大きく負け越してBクラスの4位に低迷。リーグ優勝して日本一にもなったヤクルトのエース格だった吉井を獲得することによって、相手にダメージを与える一石二鳥の補強になるだけに、なおさら長嶋監督は必死でした。吉井との面談には深谷代表(当時)だけでなく自ら出席。最後は『球団の条件に自分のポケットマネーを加えても構わないからウチに来て欲しい』と言ったと聞きました」
吉井が選んだのはしかし、大金を積んだ巨人ではなく、1年契約で基本給約2600万円のメッツだった。カネより「最高のレベルでやってみたい」という意思を優先した。
当時のFA戦線で連戦連勝だった長嶋監督に“土”をつけた格好となったが、「吉井はメッツ入りを決断した翌日、深谷代表と長嶋監督に直接会ってメジャー挑戦の意思を伝えたそうです。恨み言のひとつも覚悟したでしょうけど、長嶋監督からは『そうか。厳しい世界だと思うけど頑張れ!』と逆にハッパをかけられ感激したといいます」(同)。
吉井監督が長嶋終身名誉監督に関して、「僕の中ではヒーロー」というゆえんか。