大谷翔平の“投手復帰会議”に代理人同席の裏側…ドジャースは「投げたがり」にブレ―キ踏もうと必死
「しっかり基礎。健康にプレーしなければ」
「次回登板を先送りするとすれば、最大の理由は疲労を取り除くことでしょう。投手としての負担を減らすことで、かかる負荷を最小限にとどめたいという球団と首脳陣の配慮ですよ」と、特派員のひとりがこう続ける。
「大谷の登板予定を含めた起用法に関しては、複数の人たちで話し合って決めている。最終的に本人任せだったエンゼルス時代とは大違いです。具体的にはフリードマン編成本部長、ゴームズGM、投打のコーチ、トレーナー、大谷本人、代理人のネズ・バレロらで議論しているといいます。ロバーツ監督は参加していないという声もある中、話し合いに代理人まで入るのは、試合に出続けたい、投げたい大谷の意思をアシストするためかと思ったら、実際は逆。体が悲鳴を上げていても大丈夫と言い続ける本人を納得させるために球団があえて同席させているという話もあるくらい。
ドジャースにとって、10年契約を結んでいる大谷は戦力的にも興行的にも最大の売りもの。投げては160キロ超の剛速球、打っては超特大の豪快な一発を放つ投打のリアル二刀流を1年でも長く続けてもらうために、慎重のうえにも慎重を重ねた起用をすべきと考えている。左肩に手術が必要な大ケガを負いながら試合に出続けた昨年のワールドシリーズに象徴されるように、大谷はたとえ大ケガをしていようが休みたがらない。かといって打ち勝つチームだけに大谷をラインアップから外すわけにはいかない。球団も半ば強引にでも投手としての負担を減らそうとしているのですよ」
ロバーツ監督がABEMAの独占インタビュー企画で、「オールスターゲーム後に球数を増やしていく。9月前に5イニングは投げない。我々はゆっくり進めている。しっかりした基礎が築けるように多くの時間をかけている。ショウヘイは我々のやり方を信じている。健康にプレーしなければならない」と、投手に関して石橋をたたいて渡るような起用法を明かしているのは、球団の総意でもあるのだ。
投手復帰の前倒しは大谷本人の主張を球団が受け入れた。が、5回目の登板日を巡っては大谷側とドジャース側の間でさまざまなやりとりが行われているのは間違いないだろう。
試合に出続けたい、少しでも早く先発として復帰したい大谷と、ケガだけは防ぎたい、一日でも長く二刀流を続けてもらいたくて懸命にブレーキを踏もうとする球団の綱引きは、今後もしばらく続くことになる。
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8月1日のトレード期限が迫る中、いまドジャースが最も必要としているのが投手大谷の「ケツ拭き要員」だという。いったいどういうことか。なぜ大谷に尻拭い役が必要なのか。いま何が起きているのか。
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