私が対戦したくない相手投手は「制球力の悪い左腕」と「制球力バツグンの超遅球派」
チームに入ってきても必要以上に特別視することもない。これまでプロに9人の投手を送り出してきましたが、全員が右腕でした。右腕の母数が多いと言ってしまえばそれまでですが、左腕の育成には独特の難しさを感じることもあります。
たとえば、中学レベルだと左腕という理由だけでそこそこの成績を残せたりもします。しかし、高校はグッと競技人口が絞られる上に、体の成長期も落ち着き、打者のレベルが格段に上がる。そうなったときに武器が“左腕だけ”では通用しません。50年間の指導の中で、突然、立ち行かなくなる左腕を幾度となく見てきました。
だからこそ、新入生左腕を見る時は、過度な期待や先入観は持たず、伸びしろや性格、球筋、体の柔軟性など、高校野球で通用するかどうかを早い段階から注意深く観察するようにしています。
とはいえ、春先のコラムでも軽く触れた我が校の1年生左腕はやっぱり面白い素材。詳細は省きますが、今大会にメンバー登録しているため、2年後を見据えながらどんどん起用していくつもりです。
その他に苦手な相手投手の特徴を挙げるなら、球がとても“遅く”て制球力が抜群のタイプ。120キロ台の球をストライクゾーンの低めに集められると厄介です。「140キロ中盤の球を投げる普通の投手」よりも断然、やりにくい。