著者のコラム一覧
牧村康正ジャーナリスト

1953年、東京都生まれ。立教大学卒業後、竹書房に入社し、漫画誌、実話誌、書籍編集などを担当。立川談志の初の落語映像作品を制作。実話誌編集者として山口組などの裏社会を20年にわたり取材。同社代表取締役社長を経て、現在フリージャーナリストとして活動。著書に「ごじゃの一分 竹中武 最後の任侠ヤクザ」「『仮面』に魅せられた男たち」(ともに講談社)などがある。

野村克也・沙知代「名将を支えた“最低の女房”」(2)南海監督解任のウラにあった現場介入

公開日: 更新日:

複数の選手やコーチ、球団職員までが沙知代の現場介入に不快感を示していた

南海時代の野村克也氏(1970年)/(C)共同通信社

 のちに“沙知代”と改名することになる伊東芳枝は、一九三二年三月二十六日に生まれた。父は都営バスの運転手で、一家は東京都荒川区南千住に住んでいた。ただし芳枝の実弟・伊東信義の「姉野村沙知代」(以下同)によれば、五人きょうだいのうち長女の芳枝だけは本籍が福島県西白河郡西郷村になっていたという。理由は信義も把握していない。

 やがて戦争の渦中で空襲が始まると一家は福島県白河町(現・白河市)に疎開し、戦後もそのまま住み続けた。素行のよくなかった芳枝は何度も家出を繰り返していたが、自ら立候補して“ミス白河”に選ばれ、花形職業だった電話交換手の職を得る。しかし半年ほどで会社をやめた芳枝は東京に出奔してしまう。信義の記憶では、この出奔は芳枝が二十歳を迎えた五二年の暮れだったという。

「〈私は元気で働いています。GHQ関係の仕事をしていて、新橋の大きなホテル『第一ホテル』の中で働いているから心配しないでください〉」

 ほどなくして芳枝からこんな手紙が白河に届いた。 

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