世界陸上マラソンで露呈した実業団エリートの限界…男女とも日本人トップは“押しかけ入部”の平凡ランナー
15日の男子マラソンも、3人の日本選手が出場。パリ五輪23位の小山直城(29=ホンダ)は23位、20年の箱根駅伝優勝に貢献した青学大OBの吉田祐也(28=GMOインターネットグループ)は34位。日本勢のトップはフルマラソン2回目で2時間10分53秒でゴールした近藤亮太(25=三菱重工)の11位だった。
前出のOBが言う。
「近藤は大学駅伝の名門順大OBだが、箱根駅伝は4年時に1回走っただけ。それも10区14位。お世辞にも有望選手とは言えない選手だった。その近藤も女子の小林と同じく、三菱重工に押しかけて入部した選手です。押しかけといえば、1992年バルセロナ五輪銀メダルで、次のアトランタ五輪も銅メダルを手にした有森裕子(現・日本陸連会長)も、実績のない無名選手だったが、当時リクルート監督の小出義雄さんに入部を直談判し、やる気だけを買われた。小出さんは『ダメならマネジャーにするつもりだった』と語っていたそうだが、ケタ外れのやる気と努力が彼女を伸ばし、日本女子マラソンでは初の五輪メダルにつながった」
時差がなく湿度の高い気候にも慣れている母国の大会で勝負にならない選手が、外国でメダルに届くわけがない。実績重視の実業団はこれまでのスカウティングを改める時期にきているのではないか。