ドラフト外入団の憂き目に半ば不貞腐れていたボクを最初に見出してくれたのは山本浩二さんだった

公開日: 更新日:

「おもしろいヤツや」

 左耳が古葉監督の小さな声を拾いました。

「シメタ!」

 翌日からは他の二軍選手と合流。通常の打撃練習に参加することで、再びやる気が出てきました。当時の山本浩二といえば、日本球界を代表するスラッガー。75年首位打者、78年本塁打王、79年打点王。この年(80年)も本塁打、打点の2冠に輝き、ボクにとっては「打撃の神様」みたいな存在です。キャンプで見た浩二さんの打球は、レフト、センター、ライトのフェンスをおもしろいように越えていきます。

「これがプロの4番か」

 この時は飛距離に感心しただけでしたが、後に「ミスター赤ヘル」の“決め球打ち”に身震いすることになるのです。(つづく)

▼ながしま・きよゆき 1961年11月、静岡県浜岡町出身。79年自動車工高からドラフト外で広島入団。チャンスに強い打撃と好守の外野手として広島の黄金時代を支える。83年国内初の背番号「0」。ゴールデングラブ賞4回、84年日本シリーズは3本塁打を放ちMVP。91年中日移籍、93年ロッテ、94年から97年阪神。現役引退後は、野村、星野、落合監督のもとで、阪神、中日の打撃、一軍守備走塁コーチなどを歴任。06年オフ中日退団。通算1477試合、1091安打、107本塁打、448打点、94盗塁、打率.271。170センチ、81キロ、左投左打。

  ◇  ◇  ◇

 当企画「大人気連載プレイバック」では、次回も引き続き「ツッパリ野球人生」を掲載する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表19人の全進路が判明!プロ志望は7人、投手3人は中大に内定、横浜高の4人は?

  2. 2

    中日についてオレが思うことを言っちゃおう。一向に補強もせず、本当に勝ちたいのだろうか

  3. 3

    錦織圭と西岡良仁の不調に共通する難題…男子テニスの〈パワー・精度〉は爆発的向上している

  4. 4

    森保JのW杯に大いなる不安…三笘薫は「突破力に陰り」、伊東純也は「完治しない故障」

  5. 5

    私のスケジュールを大公開…やっぱりゴルフが好きでなければ続けられません

  1. 6

    15年前に“茶髪&へそピアス”で話題だった美人陸上選手は39歳、2児のママ…「誹謗中傷もあって病んだことも」

  2. 7

    自民元議員・和田政宗氏が参政党に露骨なスリ寄り…宮城県知事選で政策協力、過激政策に“偽情報拡散”の懸念

  3. 8

    小泉今日子は商才もピカイチ! 還暦からの「自分がやりたいこと」を実現させる“先立つもの”の備え方

  4. 9

    司から竹内組長へ…山口組はどう変わるのか

  5. 10

    「時代に挑んだ男」加納典明(45)勝新太郎との交友「図体や印象より、遥かに鋭利なものを持っていた」