大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

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日本はレギュラーシーズンの消化試合多数、CSまで間延び

 SNSではWSをテレビ観戦した日本のファンから<日本シリーズもワールドシリーズも楽しみです!><日本シリーズも熱い戦いを頼むわ><さあ!日本シリーズも面白くしてくれよ!!>などと、期待する声が上がった一方、<こんなに凄いワールドシリーズを観てしまった後に日本シリーズを観るのは、かなり物足りなく感じるだろうて><NPB?日本シリーズ?全く見る気しないわ><ワールドシリーズでこんな試合されたら日本シリーズ陳腐な試合できないね>と、日米の頂上決戦を巡る彼我の差を指摘する声が散見された。

 WSでの死闘といえば01年、球団創設4年目のダイヤモンドバックスを史上最速の世界一に導いた左腕ランディ・ジョンソンと右腕カート・シリングの2人が有名だ。黄金期のヤンキース相手に、ジョンソンはリリーフを含む3試合で3勝0敗、防御率1.04、シリングは3試合で1勝0敗、同1.69で史上初めてWSシリーズMVPを分け合った両投手の八面六臂の活躍は今も語り草になっている。

 大リーグに詳しいスポーツライターの友成那智氏がこう言った。

「今年のPSはア・リーグ地区シリーズでマリナーズが延長十五回を制するなど、もつれるケースが少なくありません。これはメジャーリーガーにとってPS、特にWSの制覇を最終目標と位置付けており、レギュラーシーズン以上のモチベーションで臨んでいるからです。延長に入ってから山本はロバーツ監督に登板を直訴したそうですが、大谷も昨季は左肩を脱臼しながら試合に出続けた。エースや高給取りにとっては当然で、かつてのジョンソン、シリングのように『フォア・ザ・チーム』の精神でフル稼働を受け入れる選手が大半。大谷との勝負を避けたブ軍のシュナイダー監督のように、勝つためなら手段をいとわない指揮官もいる。チャンピオンリングを目指して選手もベンチも文字通り死にもの狂いで戦うからこそ、数々の名勝負が生まれるのでしょう」

 翻って日本シリーズはというと、WSと比べて盛り上がりに欠けるというか、迫力に欠ける。特に阪神ソフトバンクに大敗した第2戦は終始、ワンサイドゲームでテレビ視聴率も6%にとどまった(ビデオリサーチ調べ=関東地区)。

「毎年、指摘されていることですが、日本はレギュラーシーズンの消化試合が多く、CS開幕まで間延びしてしまう。最高のパフォーマンスを発揮できない選手が目立ち、面白みに欠ける試合が少なくありません。メジャーリーガーのように、何が何でもチャンピオンリングを手にするんだという執念を感じる選手も少ないような気がします」とは前出の友成氏。

 そもそも、日本の場合はリーグ優勝に大きな価値を置いている。CS、日本シリーズはあくまで別物、お祭り感覚が根強い。阪神の藤川監督も、CSを「秋の最後の大運動会」と表現している。

 この日の第3戦は1点を争う好ゲームになったとはいえ、日程の問題はもちろん、日本シリーズでさえ延長十二回で打ち切ってしまう。CS、日本シリーズの仕組みを根底から再検討、再構築しない限り、メジャーの世界一決定戦には足元にも及ばない。

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