著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

【徹底分析】2027年ラグビーW杯組み合わせ決定 日本悲願の「8強入り」をプロが占った

公開日: 更新日:

■ジャパンに「ベスト8以上」の実力はあるのか

 ラウンド16で金星を挙げてベスト8に進出したとしても、E組2位通過からの勝ち上がりなら、準々決勝で待ち受けるのは03年大会以来の優勝を狙うイングランド(3位)だ。

 1位通過の場合でも、難敵フィジー(8位)や11月に敗れたばかりのウェールズ(11位)辺りが相手となる可能性が高く、予断を許さない。

 日本のラグビー界が悲願に掲げる「ベスト8以上」に到達するためには、とてつもなく高いハードルを次々にクリアしなければならないのである。

 果たして、ジャパンにその実力があるのか。

 今秋のテストマッチシリーズを見た限りでは、組織防御とボールの動かし方に成長は見られた。しかし、アタックをトライへと結びつける精度はまだまだ低い。組織防御も、守る過程でペナルティを犯し、ラインアウトからモールを押されて失点する場面が多く、「反則しないで守る」意識は、まだ強豪を倒せるレベルには届いていない。

 エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)は、組み合わせの結果を受けて、「この2年間を最大限に活かして、大会でもっとも準備万端なチームとしてW杯に臨むことが重要」とコメントしたが、これらの課題をクリアするための時間は、実質的には1年半あまり。

 さらに、来年7月からは新しい国際大会「ネーションズ・チャンピオンシップ」が開幕し、ジャパンは北半球シックスネーションズの強豪6チームと戦わなければならない。

 激闘を繰り広げながら短期間で課題を修正し、さらに戦力を上積みさせるような“離れ業”を、ジョーンズHCは成し遂げる必要がある。

 27年W杯に間に合うかどうかはさておいても、来年は、HCの手腕と真価が問われる年になる--それだけは間違いがない事実なのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    長瀬智也が国分太一の会見めぐりSNSに“意味深”投稿連発…芸能界への未練と役者復帰の“匂わせ”

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  3. 8

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  4. 9

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  5. 10

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…