今も脳裏に焼き付く野茂英雄の真骨頂 初めての国際戦で見せた気迫、気概に全身が震え上がった

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 試合終盤の打席で、リナレスが放った強烈なライナーが野茂の足に直撃した。ドンという鈍い音がして、打球は三塁方向に転がった。かなりの衝撃を受けたはずだったが、それでも野茂は表情を変えず、痛がるそぶりをみじんも見せず、何もなかったかのようにマウンドに立とうとした。

 普段は朴訥としていて、口数も多くなく、マウンドでも感情をあらわにするタイプではなかったが、一歩も引くつもりはないという気迫、気概がひしひしと伝わってきた。それまで野茂の投球を見たことはあったが、ここまでの姿を目の当たりにしたのは初めてのこと。ダッグアウトにいた私は、全身が震えあがるほどの凄みを感じた。

 野茂はソウル五輪で先発、リリーフとフル回転。銀メダル獲得に貢献し、一躍、日本中の注目を集めることになる。五輪での活躍も素晴らしかったが、私はイタリアでの投球に野茂英雄という投手の素晴らしさが凝縮されていると思っている。

▽やまなか・まさたけ 1947年4月24日、大分県生まれ。佐伯鶴城高、法政大、住友金属工業で投手としてプレー。東京六大学最多勝利記録保持者(48勝)。住友金属で監督を務めた後、88年ソウル五輪コーチで銀メダル、92年バルセロナ五輪監督で銅メダルを獲得。法政大監督、横浜ベイスターズ専務などを歴任し、2016年野球殿堂入り。17年から侍ジャパン強化委員会強化本部長を務め、18年に全日本野球協会会長に就任。

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