野茂英雄の代理人がなぜ俺に?「あなたのことを『助けてやって』と頼まれた」
「それでは私も困るんです」
そこで「何で団さんが俺なんかに声をかけてくれるんですか」と聞くと、団さんはこう明かした。
「実は、レオン(03年にオリックス監督を務めたレオン・リー)にあなたのことを頼まれたんです。『日本で仲の良かった山﨑という選手がいる。山﨑のことが気がかりだ。彼になんとかして野球を続けさせたい。もし彼が困っていたら助けてやってくれないか』と言われているんです。イーグルスでプレーしませんか? 私が交渉役を務めますから」
それでも気が進まなかった。打撃フォームは崩れ、もう自分には実力がない、もう復活なんてできないと、完全に自信を失っていた。
ユニホームを脱ぐと決めていた俺は、すでに家族やごく一部の親しい人には「今年で引退する」と伝えていた。そのひとりが工藤公康さんだった。
愛工大名電の5年先輩。雲の上の存在ということもあり、恐れ多くてあまり交流がなかった。でも、96年に中日で本塁打王を取ったとき、工藤さんから自宅宛てにプレゼントが届いたことがある。開けると、かっこいい黒のブルゾンが入っていた。


















