「経済学は人びとを幸福にできるか」宇沢弘文著、池上彰解説

公開日: 更新日:

■公共財としての社会的共通資本への転換を

 幸福とは何かを経済学の立場から考察した必読書がこれ。世界中のノーベル経済学賞受賞者から最も尊敬されている日本の経済学の泰斗である宇沢弘文は、経済学の本義たる「経世済民(世をおさめ、民をすくう)」の学の立場から、格差問題や原発問題の解決の糸口や、豊かさや幸福とは何かを示してくれる。

 早くから自動車等の環境問題に取り組み、ベトナム反戦運動にも携わった宇沢は、他者を押しのける市場原理主義ではなく、みなが利用できる公共財としての社会的共通資本を提唱している。池上彰の解説が付されており、分かりやすい。
(東洋経済新報社 1600円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か