「消えた名画」大友義博監修

公開日: 更新日:

 盗難などで表舞台から姿を消した傑作絵画と、それぞれの名画がたどった数奇の物語を紹介するアート本。

 1990年に史上最大といわれる美術品窃盗事件がアメリカのボストンで発生。犯人の2人組は、市警になりすましてイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館の正面入り口から堂々と館内に入り、警備員を監禁して13点もの美術品を盗み出した。その中のひとつがフェルメールの「合奏」だった。フェルメール作品は、世界でわずか三十数点しか確認されておらず、同作品の市場価値は1億ドルとも2億ドルともいわれている。同美術館では、盗まれた絵が飾られていた場所に空の額縁だけが置かれ、今もその帰還を待っている。

 最近では2012年にオランダ・ロッテルダムのクンストハル美術館で、展示中だったゴーギャンの「開いた窓の前の女」など著名画家の作品ばかり7点が盗まれた。犯人は捕まったものの、作品は暖炉で燃やされた可能性が高いという。

 そうした二度とお目にかかれない(かもしれない)作品を紙上で鑑賞する。

 盗難に遭いながらも戻ってきた作品もある。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ